エサのあげ方ひとつで信頼関係は決まる

規則正しい食事は健康の基本。異論の余地はありませんが、これは人間の世界の話です。それなのに、多くの飼い主がこの規則正しい食事を愛犬にも当てはめています。もちろん、健康のことを考えて、ということもあるでしょう。しかし、それよりもむしろ、「おなかを空かせてはかわいそう」という思いのほうが、決まった時間にエサを与える理由としては大きいのではありませんか?

家族の食事は多少遅れることがあっても、愛犬の食事タイムは厳守。「だって、家事に追われて、あげるのをちょっと忘れていると、ものすごく映えるんだもの。おなかが空いているのにエサがないって、すごいストレスになるのでは?」

たしかに空腹感とストレスは不可分。腹が減ればイライラするし、神経も逆立ってくる。しかし、これも「人間なら」です。

食事に関して犬がストレスを抱え込む原因は、実はこの飼い主の気遣いにこそあるのです。決まった時間にきちんきちんと食事を与える。信じられないかもしれませんが、そのことが犬にストレスのタネを植え付けていることになっているのです。

飼い主も犬も、お互い生きた者同士。時間がくれば機械が自動的にエサを供給するシステムのもとで犬を育てているのとはわけが違います。決まった時間の食事を心がけてはいても、時間がずれ込むことは往々にしてあります。
前にも話しましたが、犬は時間には敏感ですから、食事時間がずれ込めば、「もう、とっくにメシの時間は過ぎてるじゃないか。なにやってんだ。イライラさせるな」ということになります。このイライラは腹が減っているからではありません。エサが出されるはずの時間に出されないことによるイライラです。

だから、イライラさせないための方法はひとつ。犬に「エサが出される時間」を意識させないことなのです。どうするか?食事の時間を決めないことです。きょう朝の8時にあげたら、明日は9時、翌日は7時半というふうに、飼い主が意識的にエサを与える時間をずらす。こうすると、犬はいつエサが出てくるかわからず、「メシはどうした?なにやってんだ」と要求することはなくなります。

飼い主がくれるときが食事時間だということが擦り込まれれば、食事が遅い、早いということを意識することはなくなって、そのことでストレスを感じることはなくなるわけです。飼い主のほうも、「あっ、大変!もうワンちゃんの食事時間が過ぎちゃってる。早くあげなきゃ」と取りかかっている仕事を一時中断してエサの準備をし、またやりかけの仕事に戻るという時間的なロスから解放されるという寸法ですから、メリットは二重にあるのではないでしょうか。

エサに関してもうひとついえば、私は犬には1日1回の食事で十分だと考えています。「えっ、ウソ!うちでは家族と同じ1日3食なのに…」そんな飼い主が多いかもしれませんが、必要な量を与えれば、1日1回でなんら問題はありません。

犬は一気にエサをかき込みます。これは習性によるもの。野生の犬は獲物をハントして食事にありつきます。生きているのは厳しい自然界ですから、獲物はいつもいるわけではありません。

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